日本における近代仏教史研究は、先学の業績を継承しながら、近年とみに多面的な研究の広がりをみせております。それは著作・論文・年表・諸史料集などが次々に刊行され、研究発表の場が活発化されていることからも理解できます。しかし、専門領域の研究を深めることは当然でありますが、それを越えた研究交流や数多くの史料の提供、分析、各分野にわたる研究成果の発表などを含めた本格的な研究、自由な発想にもとづく研究活動は、なおこれからの課題であることも確かです。
こうした課題を認識し、研究の場と交流をはかっていくことを目的として、近代仏教史に関心ある有志によって1992年12月21日に日本近代仏教史研究会は発足され、活動の第一歩を踏み出しました。爾来、今日に至るまで、毎年、研究大会や夏期セミナーを開催し、研究会誌『近代仏教』の発刊を重ねてきました。その成果は徐々にではありますが、確実に積み上げられていると実感しています。
日本近代仏教史研究会の門は、広く開かれてます。自由・自主・自立を柱とした実証的で真摯な研究と研究交流の場としての本会に、これからも多くの方々が参加されることを望みます。